姫は望月のように美しく微笑み、そして冷たく言った。
「彼の品をお持ち下された方の物になりましょう」
これが揃えば彼の人を黄泉がえらせる事が出来よう筈。
きっと成し遂げてみしょうぞ。
「各々方、姫はこのように申しております」
竹取翁は求婚者に向かって宣した。
清明は、霊血霊柩の代わりとなる物を手に入れる為、その姿に目の眩んだ男達を使ったが、遂に手に入れる事は叶わず、帝までが力尽くで迫った事を知り、天人としての巫力を持ってこれを退けた。
これに懲りた清明は、再び男装をする事とし、死者をも蘇らせる力――賢者の石を作り出す為、彷徨したのだった。
サン・ジェルマン伯爵と名乗り、彼女は洋の東西を問わず、研究を続けた。
そう、彼女には、神すらをも屠ると言われた刃によって繋ぎ合わされた、永遠の命がある。時間は気が触れそうなほどあった。
彼女はとても諦めが悪いのだ。
それは愛しい男と死闘を演じたほど……。
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