山吹  ―終末―

 貴女は、死を紡ぐ事しかなかったこの手と刃に、とこしえの生を紡がせてくれた
 私の魂は、それだけで救われる
 次に私を目覚めさせる者が誰であっても、貴女のいる世界に戻るのだから
 それまで私は貴女の夢を見よう

 山吹のたちよそいたる山清水
   汲みに往かめど道の知らなく
――黄泉の国へ あの人に会いに行きたいけれど 道を知らない――
     :万葉集

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